KPIの目標値設定と妥当性チェック
●KPIの目標値を設定します。
目標値を設定する時に注意することは、ストレッチな目標を設定することです。
過去、ある企業で、成果連動の評価制度を導入した時に、目標値の設定が達成可能な値に引き下げられてされたという事が有りましたが、それと同様なことに成れば大変です。
その為にも、自他共に認める目標値を設定する必要が有ります。
その方法として、
1、設定した目標値の根拠を明確にする。
2、選定した目標値を公表し、妥当性の評価を受ける。
1の目標値の根拠を明確にするでは、比較検討できる項目を設定して、その値と比較しての今回の目標値とする方法です。
例えば、2010年度の目標値の設定の時には、比較項目として
1) 2009年度の結果(前年度のとの比較)
2) 2008年度の結果(前々年度との比較)
3) 2007年度の結果(前々々年度との比較)
4) 社内でのベスト地との比較
5) 業界でのベスト値との比較
6) 業界での平均値との比較
7) 社長からの指示値
8) 株主からの要求値
9) ライバル会社のベスト値
10) ライバル会社の平均値
等、何か比較できる値は無いかと考え、それを比較目標項目としてその項目を設定します。
2は、全社の会議の中で、部門ごとに目標値と根拠を発表し他部門からの意見、お呼び本部&企画部門からのコメントを頂戴し、妥当値を求めていく方法です。
初年度は、過去の比較対象が少ない場合が多いので妥当性を明確に出すことは困難かも知れません。しかし、継続していく事で比較対象も増え、他部門からの意見も増えて、皆が納得のいく目標値に近づきます。
・ここで、設定する項目は
1、目標値の種類
月次目標
年次目標
月累計目標
2、赤値区分の設定
バランス・スコアカードでは、達成の度合いを赤・黄・緑の信号色で表すことは
既にお話しました。
そのために緑値になる、目標値の設定のほかに、赤値になる閾値の設定が必要です。
この中間が黄色値になります。
(赤値区分は率設定と、定数設定の2通りあります。)
・率設定
赤値の設定を目標値に対する率で設定する方法です。
デフォルト値は80%で設定していますが、これは、目標値の80%を切った
実績値の場合は、赤色と成ります。
・定数設定
赤値の設定を目標値から設定した定数を引いた数値が赤値と成ります。
これは、どの様な時に使うかといいますと目標値がゼロの場合。
例えば不良率、返品率等がKPIの場合です。
率で80と設定した場合、目標値ゼロの80%もゼロとなり、計算が不可能になります。
この様なことが起きないように、定数設定が有ります。
定数を5と設定すれば実績値がゼロの場合は緑、5以上になれば赤、中間が黄色と
成ります。
3、目標値の設定
・月次目標値
・年次目標値
のいずれかを設定
4、赤値の設定
率の時 目標値の何%を切れば赤になるのかをセットします。
定数 目標値から幾ら悪くなれば赤になるのかをセットします。
5、比較対象項目ごとの目標値の数値を入力します。
6、比較赤値も同様に、比較対象項目ごとに数値を入力します。
画面左上で視点の設定を行えば、表示しているKPIがその視点の分のKPI表示に絞り込まれます。