セグメント顧客の設定
ステークホルダーの抽出が出来たらそれを参考にしながら、戦略を打つべき、セグメント顧客を選び出します。
戦略策定のスタートです。
戦略を決めるときには、選択しなければ成らないと説明してきました。
それは全方位に戦略展開出来ないからです。
ステークホルダーを見ながら、戦略を展開する、セグメント顧客を考えます。戦略を打つためのターゲットですので、業界であったり、グループであったり、分類された企業であったり、一企業そのものであったりします。
セグメント顧客を、選出します。
右の図の「マイストラ」君入力で、5つ位のセグメント顧客を選出します。
その中から、3つ位のセグメント顧客の戦略を作成するようにします。(数は目安です)
バランススコアカードの事例としてよく紹介されるモービルガソリン社(現在のエクソンモービル・グループ)の例では、消費者を次の5つのセグメントに分類しました。
1、仕事で各地を車で回る人 全消費者の 16%
1年間で、仕事で長距離を移動する高収入の中年男性
2、モービルブランドを選ぶ人 全消費者の 16%
モービルのガソリンスタンドにロイヤリティがあり、ガソリンを現金で買う高収入で、
節度ある男女
3、F3世代 全消費者の 27%
F3世代とは、活動的で、走りながらコンビニエンス・ストアで軽食をパクパク食べる
上昇志向の25歳前後の男女
4、家庭人 全消費者の 21%
日中に子供たちを送り迎えし、走行途中にあるガソリンスタンドなら何処でも
利用する主婦
5、低価格購入者 全消費者の 20%
ブランド及び特定のガソリンスタンドに興味が無く、低価格のスタンドを求めて
購入する男女
モービル社が、戦略的に採用したのは、収益性の高い1、2、3の消費者セグメントでした。モービル社は、標的としたセグメント顧客を惹きつけ、維持し,関係を深めるために提供しなければ成らない価値提案を調査し、その属性を認識しました。
その属性は
1、サービスを待たせない
2、支払いを待たせない
3、ガソリン給油機には屋根をつける(お客を濡らさない)
4、清潔なトイレ
5、ガソリンスタンドの快適な概観
6、安全て、照明が明るいガソリンスタンド
7、新鮮で高品質な商品があるコンビニエンス・ストア
(モービルのガソリンスタンドはコンビニ併設)
8、迅速な購買が出来る
9、コンビニエンス脇の豊富な駐車スペース
10、親切な従業員
11、ちょっとした自動車に関するサービスが受けられるこれらの属性を23項目作り
あげました。
次に、モービルは、全ガソリンスタンドについてこの23項目を測定する為の新測定システムに投資しました。
それは、23項目の属性について評価する「覆面調査員」を有する機関と契約し、「覆面調査員」を全ガソリンスタンドに送り込みました。
この様にして、モービルは財務的にも飛躍的な改善を行いました。
これは、一つの例ですが、戦略を打つべきターゲットをセグメント顧客として選定し、そこに戦力を集中します。
よく考えて、セグメント顧客を選定して下さい。