視点テーマごとに戦略目標を分類する
考え出した視点ごとの戦略目標を分類します。
キャプラン教授は、視点ごとに検討する必要が有る戦略テーマを設定されています。
今回、SWOT&クロス分析で作り出した戦略目標をこの戦略テーマに分類します。
分類の結果、戦略目標が存在しない戦略テーマがある場合、再度検討をし直します。
組織によっては、必要としない戦略テーマもあります。
(財務の視点の戦略テーマ)
1、安全性を求める
2、成長性を求める
3、企業価値を向上する
4、生産性を向上する
(顧客の視点の戦略テーマ)
1、顧客価値提案による顧客との関係強化を図る
2、競合他社より卓越した業務による顧客への価値提案
3、製品に於いてリーダーシップをとる
4、顧客との密着戦略をとる
(業務プロアセスの視点の戦略テーマ)
1、業務管理プロセスに秀でる
2、顧客管理プロセスに秀でる
3、新製品・新サービスの開発プロセスに秀でる
4、法的・社会的プロセスに秀でる
(人材と変革の視点の戦略テーマ)
1、人的資本の向上(スキルの向上)
2、組織資本の向上(よき会社風土を作る)
3、情報資本の向上(ITインフラ整備と活用)
以上の視点別戦略テーマが設定された戦略目標はどれに
該当するか。ABC高級食器製造卸売業の例で見てみます。
●財務の視点の戦略目標
−戦略テーマ:収益性を拡大する
・安定した顧客からの利益の確保
・商品の魅力を提案し利益確保に注力する
−戦略テーマ:成長性を求める
・高い技術力で売上の拡大
●顧客の視点の戦略目標
−戦略テーマ:顧客価値提案で顧客との関係強化を図る
・日本の特徴を海外に紹介していく
−戦略テーマ:競合他社より卓越した業務で顧客への
価値提案
・新たな食文化を切り開く
・低価格新製品の提供
−戦略テーマ:製品に於いてリーダーシップをとる
・ブランドイメージを定着させる
・ブランド力アップのための広報強化
・魅力ある低価格商品の創造
−戦略テーマ:顧客との密着戦略をとる
・BRICsでのディーラーを獲得する
・ネットワーク活用により顧客の囲い込みを強化する
・小さな幸せの追求を提案
●業務プロセスの視点の戦略目標
−戦略テーマ:業務管理プロセスに秀でる
・新工場の稼働率を早急にアップする
・マニュアルを整備し技術の蓄積を計る
・コミュニケーションを強化する
・スキルの移管プログラムの実施
・製造における効率化を更に推進する
・ホームページを工夫してアクセス数を増やす
−戦略テーマ:顧客管理プロセスに秀でる
・BRICsへの営業活動を強化する
・日本風商品を生かし国内需要を喚起する
−戦略テーマ:新製品・サービスの開発プロセスに秀でる
・魅力ある商品を開発する
−戦略テーマ:法的・社会的プロセスに秀でる
・グリーン調達率のアップ
●人材と変革の視点の戦略目標
−戦略テーマ:人的資本の向上(スキルの向上)
・デザイナーの育成
−戦略テーマ:組織資本の向上(よき会社風土を作る)
・若手からの提案を積極的に取り上げる
・リーダーを育成する(若手の抜擢)
・戦略を明確にし、リーダーシップの強化
−戦略テーマ:情報資本の向上(インフラ整備と活用)
・BRICs市場の調査と方針の徹底
作成した戦略目標を戦略テーマごとに分類することにより、戦略の漏れが無いかの確認を行う。
・今の商品がいつまで続くか分かりませんよ、新製品・サービスの戦略目標は入っていますか
・現在、社会的責任(CSR)が重要に成ってきています。まかり間違えば企業の存亡にかかわります。法的・社会的に行うべき事が戦略目標としてセットしていますか。
いろいろと、考えを巡らしましょう。