戦略実行ユニット
バランススコアカードの実行組織、即ち戦略実行ユニット(SBU)は通常全社からスタートします。
このときの戦略マップのオーナーは、社長です。社長のシナリオで戦略マップを作成します。
次に、一つ下の組織例えば部門がSBUとなり、戦略マップを四つの視点で作成します。
戦略のシナリオは部門長のシナリオです。戦略実行の責任は部門長にあります。
さらに、下位組織がSBUとなり、戦略マップを同じく四つの視点で作成します。
戦略マップのオーナーは成功するため、勝つためのシナリオを戦略マップに組み込みます。
戦略実行の責任者はグループ長です。時には、最下段の個人のMBOにまで連携します。
個人の戦略マップを四つの視点で作成し、シナリオを作成します。
戦略は上位組織から下位組織にカスケードします。
BSCでカスケードされた組織及び個人の数を増やすことで、BSCの浸透の深さを増します。
また、BSCの効果の幅を広めるためには、重要なマネジメントプロセスをBSCに統合します。
しかし現実問題として、全社からスタートできない場合も多々有ります。
そのときには、部門又はグループからスタートし、戦略マップを活用して、策定した戦略が確実に実行出来る組織を作り上げます。
そしてその実績から全社への展開を進めていきます。
戦略マップの例として、全社の戦略マップ1枚で、部門の戦略も含めて実行している場合があります。
部門が担当するのが業務プロセスの一部の戦略目標であったりします。
これでは戦略ユニットの長である部門長が責任を持った戦略の実行が不透明に成ります。
戦略ユニット単位で四つの視点の戦略シナリオを持った戦略マップを作り、部門長の責任と実行意欲、達成感を明確にする方法に変えていく必要が有ります。